大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)343 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人倉重達郎の上告趣意(後記)は、憲法三一条違反を主張するけれども、実

質は刑訴三一七条違反の主張に帰するのであつて、同四〇五条の上告理由に当らな

い。のみならず、原審が検証調書にもとづき本件踏切地点が通行の車馬にとつて列

車線路の見透しがきかず、警手の配置も自動警報器等の設備もない情況にあつたこ

とが認められるものとし、かような地点にある踏切にさしかかつた場合、自動車運

転者たる者に一旦自動車を踏切前に停止して列車の進行の有無を確認した上踏切を

通過すべき注意義務のあることは条理上明白であると判示したことは正当であり、

記録に徴しても、本件の現場及びその附近の情況についての原判決の認定に誤りは

認められない。従つて、原判決の判断は、刑訴三一七条に違反するところはないと

いうべきであり、その他記録を精査しても、同四一一条を適用すべきものと認めら

れない。よつて同四一四条、三八六条一項三号により主文のとおり決定する。この

決定は、裁判官全員一致の意見である。

昭和三〇年二月二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!